ISO取得・審査対応、教育研修のコンサルタント

ISO簡単ガイド

ISO とは【ISO簡単ガイド】

国際標準化機構の略です。
( 正式には、International Organization for Standardization )。

本来は国際機関の名称ですが、日本では、その国際機関が認証するマネジメントシステム自体のことを”ISO”と呼ぶのが一般的になっています。

つまり、『 ISOの認証を取得する 』という言葉は、『 マネジメントシステムの認証を受ける 』『 国際規格に合格する 』という意味で使われているわけです。

ちなみに、OHSAS(オーサス)とは、Occupational Health and Safety Assessment Series の略で、直訳すると労働安全衛生評価シリーズを意味します。

1990年代後半からISO化(国際規格化)の検討がなされていますが、ISOとしてはまだ成立していません。

現在のOHSAS 18001規格は、国際的なコンソーシアムによって(ISO 9001や14001との対応も考慮して)PDCAモデルを活用して作成された規格(要求事項)で、審査登録に使用できるよう意図してまとめられたものです。

ISOの種類【ISO簡単ガイド】

最も取得件数が多いのは、下記二つのマネジメントシステム(ISO)です。

ISO 9001(品質マネジメントシステム)
→組織の様々な質を向上させるために目標を掲げ、顧客満足を達成する仕組み。

ISO 14001(環境マネジメントシステム)
→地球環境に配慮した活動を行う企業として、社会的な責任を果たす仕組み。

その他、ISO 22000(食品安全マネジメントシステム)、ISO 27001(情報マネジメントシステム)など様々なISO規格があります。

ISO化されていない類似のマネジメントシステムとして、OHSAS 18001(労働安全衛生マネジメントシステム)、JIS Q 15001(個人情報保護マネジメントシステム)などがあります。

また、食品安全に特化したシステムとして、HACCP(食品危害分析重要管理点)も知られています。

費用【ISO簡単ガイド】

ISO認証取得に必要な費用は、大きく分けて二つあります。

① コンサルタント費用 ( いわゆる家庭教師料金 → コンサル会社に支払う )
② 審査費用 ( 適合性審査を受けるための料金 → 審査機関へ支払う )

コンサル費用は、コンサルの内容、頻度、期間、などにより大きく変化しますが、審査費用は(日本で認定を受けている数十社の審査機関の間で)それ程大きな差異はありません。逆に、異常に料金の安い審査機関には注意したほうが良いかも知れません(法令に違反している、倒産の可能性がある、審査の質が悪い、など)。

① コンサルタント費用について

コンサルタント費用は、(前頁で触れたように)、提供するコンサル内容、回数、期間、あるいはコンサルを受ける企業側の業種、支店や営業所の数、などにより大きく変化します。

単純に他社の事例を示すだけのコンサル手法もあれば、一から十まで手取り足取り(丁寧に)システムを作り込むコンサル手法もあります。

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取得までの期間と流れ【ISO簡単ガイド】

認証取得までに要する時間は、(これも組織によって差がありますが)概ね 半年 ~ 1年 程度でしょう。業種やマネジメントシステムの種別(9001・14001・18001等)で区別せずに大雑把に平均すると、スタートから9 ~ 10ヶ月後ぐらいに認証取得する組織が多いです。

認証取得までの主な流れは下表を参照下さい。

認証取得後、1年目・2年目は定期審査(通常サーベイランスと呼ぶ)を受け、3年目には更新審査を受けることになります。以降半永久的に、定期審査 → 定期審査 → 更新審査
と(3年ごとに)繰り返します。

審査の内容【ISO簡単ガイド】

・ 初回審査(初年度)

文書審査 : マニュアルなど主な文書を郵送で(審査機関へ)提出。まずは、簡単な書類上のチェックを受ける。

一次審査 : ISO規格が要求している条件をクリアするだけのルール設定ができているか、(二次審査に進む準備ができているか)主に文書類を中心に受審する。

二次審査 : 決められた様々なルール(法令等を含む)を実際に守っているか、現場も含めて実施状況を確認を受ける。

・ その後の定期審査( 2年目以降 )

定期審査 : 二次審査と同様の内容だが、工数(時間、人数、項目等)は半分になる。
( 認証取得後又は更新後、1年目と2年目 ) → 費用は、初回審査の約4分の1程度。

更新審査 : 二次審査と同じ内容。
( 認証取得後又は更新後、3年目 ) → 費用は、初回審査の半分 ~ 3分の2程度。

審査機関の選び方【ISO簡単ガイド】

日本で審査活動を行う審査機関は、外資系を含めて数十社あります(JAB認定は53社)。

それぞれの審査機関によって、得意な業種(例えば建設業、製造業、医療、教育などの)、得意な地域などがあります。

審査機関とは長い(場合によっては半永久的な)お付き合いをすることになります。

単純に料金が安いという理由だけで選ぶと失敗することもあります。

会社のために有益な改善をもたらしてくれそうな審査機関、長く安定して審査を任せられそうな審査機関、専門性のある審査機関、など、慎重に検討してから審査を依頼するよう心がけましょう。

もちろん、途中で審査機関を変更しても構いませんが、なるべくなら最初から良い審査機関と良好な関係を築くことが望ましいでしょう。

コンサルタントの意見、他社の情報、雑誌等の情報などを加味して、間違いのない審査機関を選びましょう。

特に注意を要するのは、コンサルティングと審査をセットで営業するような審査機関です。(当然のことですが)コンサルと審査を同じ組織が行うことは、法令で禁止されています。

メリット【ISO簡単ガイド】

ISO(あるいはOHSAS)等マネジメントシステムの認証を取得するメリットは、様々です。

ISO(マネジメントシステム)自体は、ただのツール(道具)なので、認証を取得したからといって、天から仕事や利益が降ってくることはありません。

一生懸命に(道具を)使いこなそうと努力すれば、必ず何か良いことが起こるし、放置していれば、ただの“宝の持ち腐れ”で終わること間違いなしです。

以下、ISO(あるいはOHSAS)認証の利点を、ランダムに挙げておきます。

(品質、環境、安全などについて)方針、目標が徹底する。

  • イメージ向上、顧客や地域へのアピールになる。
  • 責任権限(役割分担)が明確化する。
  • 職員の力量が上がる、必要な情報が蓄積される。
  • コミュニケーションが活発化し、情報伝達のミスが減少する。
  • 製品やサービスの質のばらつきがなくなる。
  • 緊急時にも、製造やサービスの能力が落ちない。
  • ミスの繰り返しを防止でき、効率化や能率化が図れる。
  • 職員満足と顧客満足の両者が達成できる。
  • 法的要求事項の順守(コンプライアンス)が達成できる。
  • 企業の社会的責任を果たせる。
  • 地域への貢献ができる。
  • 節約などにより、利益向上(コスト低減を含む)に結びつく。

その他、建設業であれば、経営事項審査の点数が上がる、総合評価に役立つ、などのメリットもあります。

コンサルタントの選び方【ISO簡単ガイド】

審査機関以上に、コンサルタントは多種多様な組織(あるいは個人)が存在します。

現代は情報化社会ですので、どうしてもインターネットでコンサルを探すという方法に流されがちですが、残念ながらインターネットの情報は、概ね誇大広告気味であると言わざるを得ません。

当然ながら、最もお勧めできる方法は・・・、直接コンサルタントに会うことです。

とにかく(電話やメールではなく)一度会ってから考える、これ以上の方法はありません。

直接会うことによってのみ、自分の会社に合うコンサルタントかどうか、という印象が確実に得られます。誰かの紹介を得ることも重要です。第三者の意見も案外役に立ちます。

できれば、金額が安いというだけで、あるいは楽にISOが取れそうというだけで、コンサルタントを選ばないでいただければ幸いです。コンサル選びは、長期的な視点で慎重に!

参考資料:コンサルタント選びの判断を誤らないために