ISO取得・審査対応、教育研修のコンサルタント

なぜ世の中の企業は『ISOに取り組もう』なんて思うのでしょうか? ISOなんか無くても(とりあえず)会社はちゃんと回っているというのに・・・。

やるならやるでちゃんと本気で取り組まなければ(当然)効果なんて上がるはずもないのですが、たいていのみなさんは『楽をして認証を取ろう!』なんて気持ちが先行してしまって、結果的に(数年後に)『辛い』『面倒な』ISOの仕組みが会社に残ってしまっています。そんな企業がいかに多いことか。最初に手を抜いてしまっているのですから、最終的に『やりたくなくなる』のはごく自然な話です。厳しい話ですが、最初の段階ではあまり甘い(楽をしようという)考えは持たないほうが良いでしょう。

『こんなにシンプルに薄いマニュアルで・・・』『たった半年で・・・』などという、少々うかれた宣伝文句に釣られてコンサルタントを選んでしまって、とりあえず認証取得はしたものの結局あまり使えないシステムだけが残ってしまう・・・、残念ながらたくさんの会社がそういう状態に陥っています。それらの会社(経験上の推測で言うと、ISO認証取得企業の約3割)は、毎年審査の前になって(仕方なく)バタバタと過去の記録を作って、なんとか審査に間に合わせているというのが現状です。

『楽なISO認証取得』を謳っているコンサル会社の多くは、アフターフォローの実績がほとんどありません。つまり、概ね"型に嵌ったパターン"で認証を取らせたら、その後のフォローの技術は持っていなのです。『イージーに認証を取る』ことがメインテーマですから、長く使える腰の据わったシステム作りはしてくれませんし、おそらくする気もないでしょう。本当は! 認証取得(審査合格)は目的ではなく、むしろ取得(合格)してからが運用のスタートで、取得後にどのようにシステムを活用して会社の役に立てるかがポイントのはずなのに! です。楽に"取得する"こと自体が目的になってしまっている企業やコンサルタントは意外に多いので、皆さんも注意が必要です。

『楽なISO』というのは"既存のパターンに当てはめるだけ"の場合が多いので、最初が(つまり構築する段階の一年目が)楽なだけで、その後の使い勝手については考慮されていません。各会社の個性に合ったオリジナルのシステムではないので、柔軟性もありません。やがて数年後にはISOのシステムが硬直し始めます。毎年同じことの繰り返しでマンネリ化・形骸化してしまうのです。
 



ISOというのは、認証取得は割と簡単にできます(ISOの審査に落ちた企業なんてほとんど聞いたことがありません)。『こんなに楽にISOが取れました!』なんて声も(顧客の声として)よく聞こえてきますが、コンサルタントの立場からすれば『合格なんて当たり前』です。繰り返しますが、認証取得(合格)は目的ではありません。取得したISOのシステムを使って、会社に何らかの発展をもたらすことが目的のはずです。真の顧客の声として聞こえてこなければならないのは『少し苦労してISOを取得しましたが、お陰様で会社がこんなに良くなりました』『みんなで必死に話し合った甲斐があってこんなに組織の課題が解決しました』『最初の勉強は辛かったけど長く使える効果的なシステムになりました』『人材育成がしやすくなったし、職員の改善意識も根付いてきました』などという"取った後に役に立った"(少なくとも認証を取得して3~5年後に効果を発揮した)というコメントでなければなりません。

どんな試験や審査でも合格すれば嬉しいものです。『ISO認証取得』も当然嬉しいし満足のコメントも出るでしょう。でも大事なのはそのずっと後のことだと理解しておく必要があります。マラソンでも水泳でもスタートラインにつくまでに楽をして、実際のレースで苦しくなってしまっては意味がありません。スタートラインにつくまでに多少の苦労や厳しさを味わうからこそ、走り出してから余裕が生まれます。『ISO認証取得』というのは『スタートラインについて良い』という許可をもらっただけで、決してゴールではないということを胸に刻んで下さい。これから自分の足で走り出さなくてはならない、という(覚悟と緊張感が必要な)段階なのです。既に認証を取得した企業の皆さんは、長い目で見たシステム作りをしてこられたでしょうか? 合格発表だけで(スタートラインについただけで)大喜びしてはいなかったでしょうか?



社長から『ISOを取れ!』と指示を受けた管理責任者やISO担当者が、インターネットでコンサルタントを探す場面を想像してみましょう。責任者や担当者は、『ISOってどんなものだろう?』『どれだけ自分の業務に負担がかかるんだろう?』『費用や時間はどれぐらいかなぁ?』などなど不安を抱えながら検索することになります。そこに踊っているのは、『シンプルに』『楽に』『文書は薄く』『こんなに早く』などという文字。興味を惹かれて当然でしょう。しかし、です。

『マニュアルが薄ければ楽なのでしょうか?』 『取得期間が短ければ面倒臭くないのでしょうか?』
そんな馬鹿な! です。

薄いマニュアルなんて誰でも作れます。薄いマニュアルには必要なことが書かれていません。薄いマニュアルは具体性が乏しくなります。分厚いマニュアルを作る必要なんて全くありませんし、できるだけ薄いほうが良いに決まっていますが、ただ薄いだけのマニュアルで審査に合格しても、意味がないですし(実務上では)使えません。逆に、(肝心なことが書かれていないので)頭で覚えておかなければならないことが増えてしまいます。

取得までの期間が短いと、自分の会社のシステムを"作りこむ"時間がありません。関わる人間の数も少なくなってしまいます。勉強する時間もありません。通常業務が忙しいという理由で、結局は"コンサルタント任せ"でシステムが構築されてしまいます。完成したマニュアルや手順書についても自分達が関与していないので愛着も湧かないし、できれば日常的に関わりたくなくなります。勉強していないから、運用の仕方も修正の仕方も今ひとつ分からないままです。結局放ったらかしになり、毎年審査前になるとコンサルタントを呼んで(またまた高いお金を払って)、審査に通るようかたちだけ作ってしまう悪い癖がつきます。一度そういう状態に陥ってしまうと、その会社のシステムは向上するどころか現状維持にアップアップです。簡単には抜け出せません。

目先の苦労から逃れよう、という視点でコンサルタントを探してはいけないし、初年度から楽をしてシステムを構築しよう、などと考えるべきではありません。認証は取れるでしょうが、長い目で見ると必ず失敗します。



では、ISOの認証を取って、成功している企業とはどんな企業でしょうか? 答えは簡単です。最初から何らかの目的を持ってトライした組織、です。

ある建設業者では、現場責任者の原価管理ができておらず、利益の薄い工事が度々発生していました。そこでISOをきっかけに、利益率をあげるための目標管理をし、利益率をあげるための書式を作成し、利益率をあげるための教育を実施し、利益率をあげるための監査を実施しました。結果は、大成功。赤字工事は消えてなくなり、黒字幅は広がりました。

ある病院では、患者様の不安 = 患者様からの質問の数、と考えました。 つまり『私の診療は何時から?』『風呂に入っても良い?』『次の検査はどこに行けば良い?』などなど、患者様がいちいち質問しなくてもちゃんとわかるように配慮して、安心して入院生活を送ってもらおうと考えました。そのためにデータ分析を行い、そのために役割分担を実施し、そのために設備を整え、そのために内部コミュニケーションを活用しました。一年後、患者様からの質問はほぼなくなり、患者満足度は急上昇しました。

要は、(別にISOを使わなくてもできることなのですが)ISOを利用して何らかの目的を達成しよう!と思って取り組んだ企業は成功するということです。

そう。キーワードは『ISOを利用する』、です。

ISOはツール(道具)であり、認証を取得すること自体は目的ではありません。取得した後に"いかに使いこなすか""いかに組織の発展に活用するか"が核心なのです。そこだけは必ず理解しておかないと、結果的にISOに使われる(振り回される)ことになります。



世の中に存在する全ての組織は、必ず何らかの弱点や課題をかかえています。
世の中に存在する全ての経営者や管理者は、必ず何らかの"思い"を抱いています。自分だけにしか分からないけれども、何か社会に貢献できそうな、いつか実現したいと思う何らかの(経営者・管理者としての)"思い"です。

そんな弱点や課題を解決するために、あるいは何らかの"思い"を達成するために、ISO(マネジメントシステム)を活用すれば良いのです。ツール(道具)として使ってほしいのです。

もし顧客や取引業者などにアピールする必要がない場合は、審査なんて受ける必要もありません。ISOの要素の良いところだけを使って、組織の問題点や課題を解決すれば良いのです。

名刺に『ISO認証取得』という文字入れたい、というだけの理由でトライするのは寂し過ぎます。





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